前回の記事では、コーナーリングの安定性向上や乗り降りをし易くするためにローダウンを行いました。
ローダウンすることへのメリットは大きいのですが、デメリットももちろんあります。
①についてはよっぽどの段差でなければ擦ることはありませんので、②~④の対策について考えてみたいと思います。
いつものことながら、後ろの席の乗り心地に影響はしないのかな?
今回は足回りの改善になるので、乗り心地が悪くなることは無いと思います。ただし乗り心地が良くなるかと言われるとちょっと微妙かも・・・
何故ローダウンをすると足回りに負担がかかってしまうのか?
結論を申し上げますと、ローダウンすることにより下げた分だけドライブシャフトに角度が付くことが、足回りに負担がかかる原因になります。
そもそもドライブシャフトってどういう機能があるの?
ドライブシャフトはエンジンからの動力をタイヤに伝えるための部品です(具体的にはエンジン→デフ→ドライブシャフト→タイヤという感じで動力を伝えます)
タイヤは路面の凹凸を拾うため上下に動くようになっていますが(具体的にはサスペンションやスプリングで車体の揺れ抑えようとします)、その上下運動が起こってもうまくタイヤに動力を伝えられるように、タイヤの動きと連動してドライブシャフトも同じように上下運動ができるようになっています。
ドライブシャフトは可動部品ということでいいのかな?
そうです。ドライブシャフトは両端がジョイントで可動できるようになっており、その可動部分には比較的寿命の短めなゴム製のドライブシャフトブーツによって外部からの汚れが侵入しないように保護されています。
シャフトブーツがゴム製ということは、普通に運転していても劣化しそうな気はするけど・・・
大体5年もしくは5万キロ走行で寿命を迎える部品になりますが、実際にはもう少し保ちそうなイメージですね。このシャフトブーツが破れていると車検には通りません。また、シャフトブーツが破れたままで走行するとジョイント内に異物が混入しジョイントが壊れてしまうことになります。こうなるとドライブシャフトそのものを交換することになってしまい、工賃を含めると10万円を超える費用が必要となっていまいます。(シャフトブーツの交換だけなら1~2万円程度で可能)
かなり重要なパーツなんだね
そんなドライブシャフトですが、ローダウンをすることにより通常より角度がついてしまいシャフトがバンザイ状態になってしまいます。
最初にお伝えしたデメリット「②ドライブシャフトの角度がきつくなり、シャフトに負荷がかかり寿命が短くなる」ですが、厳密にはシャフトの負担はそこまで大きくなくシャフトの先にあるジョイント部分も重要な可動部分ということもあり、かなり丈夫に作らていることからそこまで気にする部分ではないのかもしれません。
問題なのはシャフトブーツです。
ドライブシャフトがバンザイすることでシャフトブーツに問題が出てくるということ?
シャフトブーツは可動部分ということもありゴム製の蛇腹のような形状をしています。そのシャフトブーツがいつもより角度が付くことによって一部分に負荷がかかり、擦れるようになってしまいます。結果的にその場所が通常の角度で使用するよりも破れやすくなってしまう、ということになります。比較的寿命の短いゴム製品なので、交換が多くなるとコストがかかってしまいますね。
うーん。何とかならないのかな?
ちょっとお高くなりますが・・・対策できる商品があります!
強化ドライブシャフトを購入する
こちらも結論を申し上げますと、ローダウンを想定した作りになっている強化ドライブシャフトを購入し取り付けると効果がある、ということになります。通常よりも負担がかかるドライブシャフトそのものを強化してあったり、シャフトブーツのジャバラ部分もできるだけ擦れにくいような構造になっていたりします。
ということは、元々ついているドライブシャフトよりお値段が高くなりそうな気がするけど・・・
その辺りはご心配なく!お値段は純正品の新品とほとんど変わりません。
購入したの下記の商品です。こちらは標準(ナロー)ボディ4WD用の商品となりますのでご注意ください!
ワイドボディ用の4WDの商品は下記の商品となりますので、購入する際には間違いないようにしてください!
私も一度間違って部品を購入したことがありますので、しっかり確認をして自身の車両に対応しているかを調べてから購入することを強く推奨いたします!
こちらの商品は、キャンピングカーのメンテナンスを扱ってもらえるお店で取り付けをお願いしております。2022年1月頃に取り付けてもらい、工賃は左右で24000円程度だったと記憶しております。残念ながら当時の取り付け時の画像は見つかりませんでした・・・
せめてドライブシャフト本体の画像だけでも撮っておけばよかったね・・・
強化ドライブシャフト取り付け後の感想
強化ドライブシャフトを取り付けて初めて運転したときに感じたことは、フロント付近のゴリゴリ感が無くなったということでしょうか?特に時速90km付近のバイブレーションは皆無となり、時速110km~120km付近のバイブレーションもほぼ無いような状態になりました。ドライブシャフトブーツについての負担もだいぶ減っていると感じられますね。
後席の乗り心地については、特に変わった感じはなかったよ。悪くもなってないし良くもなっていないかな?
時速90km付近と時速110km付近のバイブレーションはドライブシャフトに負担がかかってます感が非常に強かったですし、ハンドルにもかなりの振動が伝わって聞いていたので、ハンドルを持つ手の負担も全く違います。お値段は張りますがハイエースに長く乗る予定なら交換をお勧めいたしたいところですね。
効果のほどはわかったけど、商品と工賃を含めると10万円以上かかるからね・・・
強化ドライブシャフトの交換ほど劇的には変わりませんが、リーズナブルに対策ができるパーツがありますよ!
リーズナブルな対策 ーデフ上げスペーサーを入れてみるー
強化ドライブシャフトの効果は大きいのですが、お値段が・・・そういう方はまず、こちらの対策をされてはいかがでしょうか?
丸い円盤みたいなのが2つとボルトが1個・・・これは何?
これはデフ上げスペーサーと言って、その名の通りデフのマウント部分にこの円盤を挟むことによってドライブシャフトのバンザイ角度を抑えてくれる商品です。
角度が抑えられると、ドライブシャフトブーツへの負荷も穏やかになりそうだけど、実際にどのような効果はあるのかな?
こちらの商品は強化ドライブシャフト導入前に先行して取り付けていますが、取り付け以前に出ていた時速90キロ付近のハンドルのバイブレーションが無くなっています。これだけでもドライブシャフトの負担が減っているのだろうと感じられます。
これで問題が解消されるなら強化ドライブシャフトを導入する必要は無いんじゃないの?
確かに90キロ前後のバイブレーションは無くなりましたが、110キロ超でのバイブレーションは無くなりませんでした。強化ドライブシャフトに変えた時のゴリゴリ感が無くなったような劇的な変化は感じられなかった、というのが正直な感想です。
でもデフ上げスペーサーでも変化はあったと思うけど・・・
そうですね。デフ上げスペーサーの装着前後で考えるとドライブシャフトの負担が減っているのは間違いないですね。コストパフォーマンスも高くまずはこちらをお試しいただくのが良いかなと思っております。
デフ上げスペーサーの購入サイトのリンクは以下の通りです!
デフ上げスペーサーの取り付けはいつもお世話になっております、愛知県名古屋市にあるプロスパーさんでお願いしております。
こちらは2021年11月頃に取り付けてもらっており、工賃は6000円程度であったと記憶しております。
後ろの席に座っている感じでは、そこまで変化は感じられなかったよ。運転手が感じているようなゴリゴリ感は後席では感じられないのかも?
ハイエース4WDのローダウン後の足回り対策のまとめ
ハイエースの4WDにおけるローダウン対策としては、上記の2点を試してみると良いと思います。
・リーズナブルに対策したい場合は、まずは「デフ上げスペーサー」を導入してどの程度問題が解消されるかを確認する。
・それでも気になる場合は、「強化ドライブシャフト」を導入する。ハイエースに長く乗る予定の場合は特におすすめ!
ローダウンにしないことが一番の対策かもしれないけど・・・ローダウンで生じる問題点を解決することは出来そうだね。
ハイエースの4WD、特にナローボディの場合はローダウンの負担がより大きくなるので、強化ドライブシャフトの導入まで検討するのが良いのではないかと思いました。結果的に諸々のパーツと取り付け工賃等が必要となりますが、気になる点が解消されたのでヨシとします!