・ハイエースはサイズ(車両の長さ・幅・高さ)により複数の種類に分類される
・ぱっと見ではわかりづらいので、外観から区別するためのポイントを紹介
・4ナンバーと1ナンバー、キャンピングカーで使用する8ナンバーの違いについても記載する
※当記事の画像はトヨタ自動車のホームページより利用しております。
ハイエースクイズ!

ハイエースについて、いきなり質問です。
下の4台の違い、わかりますか?





どれも見た目は箱型で・・・違いは全然わかんない・・・

上記のハイエースは車体の「長さ・幅・高さ」のいずれかが異なっているのです。
例えばネットでハイエースの中古車を探すときに、どのサイズのものかが判断できないからと、いちいち現地に行って確認するわけにもいきません。
そこで!ここではハイエースの簡単な見分け方について紹介していきたいと思います。
ハイエースの種類について、サイズから4種類に分ける

今回は、ハイエースキャンピングカーのベースとなる「ハイエースバン」に絞って説明していきます。他にも「ハイエースワゴン」や「ハイエースコミューター」などもあるのですが、こちらはキャンピングカーのベースにはならないので割愛しております。

最初の画像にあった4種類のハイエースですが、車両の「長さ・幅・高さ」により、以下の図のようになります。
長さ | 幅 | 高さ | 正式名称 | このページでの略称 | |
① | 短い 4.69m | 狭い 1.69m | 低い 1.98m | 標準ボディ・標準ルーフ | ナロー※標準ルーフ |
② | 短い 4.69m | 狭い 1.69m | 高い 2.24m | 標準ボディ・ハイルーフ | ナロー※ハイルーフ |
③ | 長め 4.84m | 広い 1.88m | 高め 2.10m | ワイドボディ・ミドルルーフ | ワイドミドル |
④ | 長い 5.38m | 広い 1.88m | 高い 2.28m | スーパーロング・ハイルーフ | スパロン |

上記の表に対応したハイエースの車両画像に番号を振っていきます。





ひとまず番号を振ってみたよ。
表からサイズ感はわかるようになったけど、画像だけを見てもそれぞれの違いがわかりにくいね。

確かに4台の違いを明確にしないと、画像だけでは判断が難しいですよね。
次の画像では違いが判る箇所に赤枠を入れてみます。





これだけ見てもわかんないや・・・

大丈夫!これからちゃんと説明していきますよ!
ナロー:標準ルーフとハイルーフ仕様の見分け方

まずは一番小さいナローボディの違いを比較してみます。下の画像の左が「標準ルーフ仕様」で右が「ハイルーフ仕様」です。違いは赤枠の個所で、ハイルーフ仕様のほうが上部がボコッと出ていますね。



確かにハイルーフ仕様のほうが屋根が高くなっているね。でも荷物をたくさん積むこと考えると最初からハイルーフ仕様だけでも良いのではないかと思うんだけど・・・

理由はずばりナンバーの違いです。標準ルーフ仕様が4ナンバーでハイルーフ仕様が1ナンバーになります。

ナンバーが違うと何が変わってくるのかな?

1ナンバーは普通貨物扱いとなり、4ナンバーは小型貨物扱いになります。1ナンバーは大型トラックなども該当しますが、4ナンバーは普通車サイズで大きさもかなり制限されます。4ナンバーと比較して1ナンバーに対して不利な点は以下の通りです
・保険料(自賠責保険・任意保険)が高い
・高速料金が高く、通勤割引や休日割引などの割引率が低い(または利用できない)
・自動車税が高い
・重量税も高い

いろいろと高くなるんだね・・・

保険料が上がるの痛いですが、高速料金については4ナンバーの2割増しとなり、かなり厳しくなります。そのためハイエースは4ナンバーである、ナロー標準ルーフのシェアが圧倒的に多くなっています。ちなみに4ナンバーの条件は以下の通りです。
・全長:4700mm以下
・全幅:1700mm以下
・全高:2000mm以下
・総排気量:2000cc以下(ガソリン車)
※ディーゼル車は排気量の制限なし

上の条件は5ナンバーの乗用車についても全く同じなのですが、車体のグローバル化によって5ナンバーサイズの車種はだいぶ減ってきていますね。
ちなみにハイエースのナロー標準ルーフ(4ナンバー)のサイズは下記の通りです。
・全長:4695mm
・全幅:1695mm
・全高:1985mm
・総排気量:1998cc(ガソリン車:1TR-FE)または2754cc(ディーゼル車:1GD-FTV)
※ディーゼル車は型式により2494ccや2982ccのものが過去に販売されていた

うーん・・・サイズいっぱいにギリギリを攻めているね。
ナローボディとワイドボディの見分け方

次は先ほど紹介した車幅が1700mm以下のナローボディとそれ以外のワイドボディの見分け方となります。
左がナローボディで右がワイドボディの車両となり、見分ける箇所は赤枠のフロント部分になります。



右側の車両のほうがバンバーがボコッと出ているね

ワイドボディは、ワイドミドルと呼ばれる車両とスーパーロングと言われる車両の2種類に分けられるのですがどちらも車幅は1880mmとなり、フロントのバンパー部分はどちらも同じ形になります。つまり車体を真正面から見ると見分けがつかない・・・ということになるわけです。

ということは、ワイドミドルとスーパーロングの違いを見つけないと区別ができないということだよね?

次にその2つの比較をしていきますよ。
ワイドミドルとスーパーロングの見分け方

先ほど申し上げたとおり、ワイドミドルとスーパーロングは車幅が同じためフロントバンパーでは見分けがつかなくなっています。となると、見るべきところは車のサイドを見ていくことになります。
こちらは左がワイドミドルで右側がスーパーロングになります。そしてみるべき場所はスライドドアのレールからの余白です。右側のすーぱロングのほうが余白が多くあります。純粋に2台の長さの差、ワイドミドル(4.84m)とスーパーロング(5.38m)の約50cm(0.5m)分がここで比較できるわけです。



ワイドミドルの色が黒いからスライドドアレールの終わりの部分がわかりにくいね・・・

ワイドミドルの画像が少なくてこれしか見つからなかったのですが、もう一か所確認できる場所があります!
左がワイドミドルで右がスーパーロングで、右サイドを見てもらえると・・・赤色の部分がちょっと区切りが見えるのがわかると思います。この区切りがあったらスーパーロングで区切りがないものはワイドミドルになります。
ちなみにワイドミドルとナローボディとでは真横から見ただけだとちょっと見分けがつきにくいかもしれませんが、バンパーが大きく出ているものがワイドミドルになるのでそのように見分けをつければよいと思います。



これなら比較的わかりやすいかも
ハイエースの見分け方まとめ

というわけで、ハイエースの種類について説明をしてきましたが、一般的にキャンピングカーのベースとなる種類をお伝えしてきました。ワゴンタイプやコミューターなどは割愛していますが、そのあたりはデジタルカタログの諸元表などを見ると違いが分かるかもしれませんね。

今回紹介したハイエースの種類は4通りで、見分ける箇所は「バンパーの出っ張り」「ルーフの高さ」「スライドドアレールの端からの長さ」「右サイドの区切り」このあたりを見ていけば良さそうだね!

では改めまして・・・こちらの2台の違いは?



バンパーが前に出ていないので、標準ナローボディだね。
で、左が屋根の高さが低いので4ナンバーの標準ルーフで、右が1ナンバーになるハイルーフになるね。

正解!では次の2台は?



左はバンパーが出ているからナローではなさそう・・・スライドドアレールから後ろもそんなに長くないから、ワイドボディ・ミドルルーフ、略してワイドミドルだね!
でも右側は分からないね・・・バンパーが気持ち出っ張っているように見えるし・・・もしかして同じ色だから同じワイドミドルってこと?

その通りです!ちょっとひっかけ気味でしたがよくわかりましたね。
最後の2台は?



左はスライドドアレールから後ろが長いので、スーパーロングかな?
右も区切りの部分があるから長そうなのでスーパーロングだと思うけど?

当たりです!どちらもスーパーロングになります。

そういえば、右側にドアがあったりなかったりするけど、このあたりも見分けるポイントになるのかな?

ドアの数については、まずスーパーロングは右側にドアがあるタイプはありません。ナローとワイドミドルは右がにドアがあるタイプと無いタイプを選択することは可能です。厳密に言うとスーパーGLというグレードにすると、必ず右側にドアがあるタイプとなり、このグレードはスーパーロングには設定がありません。それ以外のGLやDXというグレードであればドアの数を選択することが可能になります(こちらについては年式によって選べたり選べなかったりするので注意が必要です)

ということは、「スーパーロングだと右側にドアが無い」という判断をするのはアリかもしれないから、ちょっとした判断材料にはなりそうだね。

近年自動車の安全基準が高まっており、ハイエースのようなボンネットがないタイプの車は販売されなくなる可能性が出てきております。次のハイエースはボンネットがあるタイプになるとかならないとか・・・どちらにせよ広大なスペースが魅力のボンネットバンが無くなってしまうのは悲しいところではありますが、安全性を考えると仕方がのないことなのかもしれませんね。